僕の屈辱的な思い出を一つ。

　あれは高校２年の夏だったと思います。通学に北34条駅を使用していたのですが、いつもの ことで、次のバスまで時間があり、道挟んだ生協（だったっけ？現ベスト電器）に 本を立ち読みしに行こうと横断歩道目指して歩いていました。

　すると、すれ違いざまに見知らぬオヤヂに声をかけられました。（以下、オヤヂ）

オヤヂ：　「君、どこの高校？」

　その瞬間、僕はからまれてると思いました。「面倒臭ぇなぁ、もぉ」と多少ビビリながらも 無難に切り抜けることを願いながら。

ツタン：　「Ｐ校ですけど」

オヤヂ：　「へぇ〜、頭Ｐなんだねぇ。Ｐ校ってどの辺にあるの？」

ツタン：　「北XX条あたりです」

オヤヂ：　「今、何年生？」

ツタン：　「２年ですけど」

　この辺りでオヤヂの空気も徐々に柔らかくなってきたのですが、それと同時に僕の頭には 一つの疑問が浮かんできました。「このオヤヂ、そんなこと調べてどぅすんだ？」

　僕はスピードを落としながらも、歩くのをやめずにいましたが、その後も質問攻めに 遭ってました。信号待ちの横断歩道に辿り着くと同時にオヤヂも質問をやめ、

オヤヂ：　「それじゃ、頑張ってね」

と同時に優しく抱きしめてきました。

　僕は「随分、スキンシッピーなオヤヂだな」と思いながらも 「これでやっと解放される」 と思いました。ふと横に目をやると若い女性が僕らの方をチラっと見てました。

　「確かに風景として微妙だよな、信号待ちでオヤヂに抱きしめられてる学生服って」などと 考えるとなんか、気まずくなってきたな、などと考えていたときでした。

尻触られた、オヤヂに・・・

　一瞬何が起こったか分からず、飛びのきました。後で考えるとそのしぐさは女っぽかったかも。 さすがに悲鳴は上げなかったはずですが。

　そしてオヤヂは立ち去って行きました。そのときにやっとオヤヂの目的が分かりました。 先程の女性とはさらに気まずくなりそうだったので、僕は顔を上げずに信号が変わるのを待ちました。

　帰りのバスの中で、他人に認められたような気がして少し嬉しかった反面、 何故かもの凄く悔しくて、気持ち悪くて目頭が熱くなったのを覚えてます。

　「屈してしまった・・・」

　オヤヂのテクニックにヘロヘロになったわけでもないのに、何故かそんな言葉が頭をよぎりました。

　女性の皆さんも痴漢にあったときは、こんな気持ちなのでしょうか？