大学１年の10月か11月だったと思う。誘ってくれたのは大学のクラスメイト。 背の高い元ラガーマンで、彼は格好いい。サークルの先輩がバイトしている店で 開催するということで呼ばれたらしい。

　場所はススキノ。どこかのビルの上の方。

　

　その前に、合コンというのは何だろう？ 辞書 によると「合同コンパの略で、男子学生と女子学生など、二つ以上のグループが合同で行うコンパ」らしい。

　合コンというのは何となく、自分で使える言葉（ボキャビュラリー）ではあるが、 コンパというものが何なのかは知らなかった。ので、 調べてみると 「コンパニーの略で、学生などが、会費を出しあって飲食したりして親睦を深める会合。茶話会。懇親会。」 らしい。新歓（新入生歓迎）コンパくらいでしか、使ったことない言葉だったし。

　

　で、当日。

　店に行くためにエレベーターに乗る。そこで、当時の自分が会話したことも ないようなケバめな女性３人組が一緒になる。

　「この人たちが相手だったらどううしよう…」

　そして、同じ階で降りる。彼女らは店ではなくトイレに向かったが、やはり 同じ参加者であったらしい。

　

　この合コンが「人生初」ということで、そのときは分からなかったのだが、 色々なところで変わっていた。

　まず、幹事っぽい人（友達のサークルの先輩）が合コンには参加しないのだ。 おそらくの目的は自分の店で飲み食いして欲しかったのだろう。男女ともに ごちゃ混ぜな軍団が集められた。そして、最後に気に入った相手にメッセージ カードのようなものを渡すのだ。

　メッセージカードのことは知らずに会は始まる。その前に自己紹介用の記入用紙に 記入した。

　メンバーを紹介しておくと、

　男性１グループ　ツタンカーメンとその友達Ａ。大学１年。どちらも合コン初参加。

　男性２グループ　Ｈ大学の同期（１年）っぽい２名。ＢとＣ。

　男性３グループ　大学３年っぽい２名。１年の上記４名よりは、慣れている感じ だが、イケているかどうかとは別問題。ＤとＦ。

　女性１グループ　エレベーターで乗り合わせた３名。文京大（でしたっけ？札幌の 南の方にあるやつ）の１年。ＳとＴとＵ。

　女性２グループ　天使大学？短大？３名。ＸとＹとＺ。

　

　時期的にもちろん鍋。６×６、円形で座る。席の配置上、向かいの人と話すのには 距離が遠すぎる。男女が固まって座っているので女性と隣になれる男性は２名。 しかもその内の片方が自分。隣になったのは天使のＹ。

　プレッシャー。

　

　鍋もまだ煮えておらず、自己紹介の紙も回覧されていないので話題が 見つからない。

　

　同性同士も知らない人ということもあり、全体的に特に会話もなく５分 くらいが過ぎただろうか。

　その場に耐え切れずにトイレへ逃亡(^_^;)

　

　

　ウンコと思われない程度に時間を潰して店に戻ると…

　

　

　前向きに考え、盛り上がったところに混ぜてもらう♪

　

　お酒も入り、席もチェンジしだす。

　女性陣で一番目立つのは文京大のＳ。キレイというよりは「顔が派手」という 表現の方が合っている。あだ名はガチャピン（言ってしまってもいいのかな？(^_^;)）。 目がパッチリしていて、緑の服が好きらしい。おそらく「Save Your Dream」の 華原朋美を意識しているのだろう。

　ふと向かい側の奥の方に目をやると、大学３年のＤとＦが、Ｓを挟んで ３人でソファーに座っている。

　

　Ｓが気になっていたというよりは、「ソファーに腰掛ける男女３人」という ものの絵的なエロさと、初めて知る世界の弱肉強食さに打ちのめされてしまった。

　

　Ｓの顔のケバさから想像する経験値を考えると、確かにＨ大学１年の４名では 相手として務まらない…気はする。

　

　なんというか、大人すぎる世界に来てしまったような気がした。

　今、ススキノ。お母さん、ごめんね。

　

　ちなみに途中で回覧されたＳの自己紹介には、好きな芸能人の欄に「草野正宗」 （スピッツ）と書いていた。そういう時期。ＧＬＡＹも売れてたような。あとは 華原朋美。

　自分が何を書いたかは覚えてない。

　

　で、気がつくといつの間にか自分も文京大の女性二人、ＴとＵに挟まれている。

　自分が酔っ払っているし、二人とも勝手にバカ話してくれているので、相当 楽しい♪

　

　

　そしてＴのいきなりの一言。

　Ｔ：　「ねぇ、『ナナノダン』って難しいよね？」

　

　ツタン：　「・・・」

　

　ツタン：　「ん？ナナノダンって？」

　

　Ｔ：　「掛け算だよ、掛け算♪」

　

　ツタン：　「九九の『七の段』？」

　

　Ｔ：　「難しいよね？」

　

　ツタン：　「・・・」

　

　ツタン：　「いや、難しくはないと思うよ。」

　

　Ｔ：　「じゃぁ、言ってみてよ♪」

　

　 酔っ払っていると確かに難しいかもしれないが、それ以上にいい歳して どうして人前でかしこまって九九の七の段を暗唱せねばならないのだろう…

　

　結局、暗唱させられる羽目に。

　

　

　どうもぎこちない。

　

　

　Ｔ：　「ね？難しかったでしょ？」

　

　そして恥ずかしさ故のぎこちなさを、難しさと解釈されてしまった。

　

　お母さん、俺　今　ススキノでナナノダンを歌ってます。

　

　関西だと、「ナナイチガナナ」になるのかな？

　

　

　そんなこんなで、宴は楽しく進み、いよいよ気に入った相手へのメッセージ カード記入。

　結局、会話したのはＴとＵの２名。幹事さん情報によると、Ｕは彼氏がいる らしい。

　

　迷う…

　Ｔと、一度も話していない天使のＸ(^_^;)　Ｓもちょっといいなと思い ながら。

　天使の方は、文京と違ってケバくないのが好印象。

　でも話ってないし。

　

　酔っ払っているせいもあって、幹事さんに「２枚書いちゃダメですか？」 などとＦＵＳＨＩＤＡＲＡなことを聞いてみるがもちろん却下。

　その紙に書くのは自分と相手の名前だけ。連絡先は自分で聞きましょう、 ということか。

　

　結局、天使Ｘに。

　

　そして、その場で自分へのメッセージが封筒に入れられ（他の人に分からない ように）渡される。

　

　開封。

　

　ん〜

　失敗！

　orz

　

　文京大のＳとＴとＵと、天使のＹから。

　

　

　Ｓにしておけばよかった(ToT)

　

　

　自分の友達のＡがＸからメッセージをもらったらしく、その二人はとりあえず 相思相愛。

　Ａは「お前に負けた気はしないな♪」と上機嫌。量より質ということ。

　同じ１年の男性Ｂは「いや〜、誰が（メッセージ）もらったんだ？」と ぼやいていた。

　そりゃそうだ。６票中５票がツタンとその友達Ａ。

　性格悪いのだが、ちょっといい気分♪

　

　

　そして帰りのエレベーターでまたも文京大の３人と一緒に。

　気まずいな、と思っていたらＳが僕に対して明るい口調で切り出した。

　Ｓ：　「ちょっと〜、誰って書いたのさぁ」

　Ｔ：　「いや、あの〜」

　

　しかし、そこからの自分は少し強かった。

　エレベーター降りて、ＳとＴの連絡先を聞いてしまった。たまに強い自分。

　メッセージの意味、ないじゃん！

　

　今もそのときの紙が残っているのだが、プリクラとベル番（ポケベル）と 家の番号が。

　238-XXXX（ドコモ）*2*2

　なんか、色々な意味で時代は変わったなと。

　

　ただ、自分もアホではないので文京大の３人ともが同じ人に入れる意味も ないので、これは「他にいい男いないから、アイツに入れておくか」という 風に解釈はしている。

　

　最後に言っておくと、特に合コンというものが特に好きというわけ ではない。当サイト内の文章で、何かと合コンを引き合いに出すことが多い 気がするので、誤解されているかもしれないと思い。

　もちろん嫌いではない。が、集合した瞬間に帰りたくなることも珍しく ないし、もう合コンで彼女作ろうなどという希望はとうに捨てた。色々な意味で 自分には合わないというのが分かっているのだ。

　

　

　で、後日。Ｓから電話がかかってきて、「今、店にいるんだけど、ヒマだから 遊びに来て♪」と。

　

　ん？店ってなんだ？

　

　行ってみると、スナックのような店（今、考えてみると）。Ｓの飲み物代は とられず、\3,000ポッキリ。

　会話が不安だったのだが、そこはさすがプロ。終始話してくれたので助かった。

　

　そこでの会話。

　Ｓ：　「今度、小樽のキョージロー連れてってよ♪」

　ツタン：　「（誰だそれ？）」

　あとで調べて、小樽のスパゲッティ屋 叫児楼だと知る。まだやっているのかな？

　それ以来、自分の中では叫児楼が「イケてる店、No.1」になった。

　

　そして帰り際にＴとすれ違ったのが、全然顔が変わっていた。一体、顔のどの くらいが化粧なのだろう。言われてもＴだと信じられなかった。

　

　そして、叫児楼前日。

　ポケベルに

　「補講入っちゃったから、今日は行けない。ごめんね」

　

　土曜に補講って…

　他の大学のことは分からないけど、それって嘘じゃないの？

　

　しかも他の人から聞いた噂によるとＳは、「ツタン、あいつ足として使ってやる」と 言っていたらしい。

　ま、いいんだけどさ。２回しか会ってないし、恋じゃないし。

　

　くどくなりましたが、時効ということで。